
介護現場で行える医療的ケアって、
医療行為と違いがあるの?

医療行為と医療的ケアは違うよ!
何が違うのか説明していくね!
介護の現場で仕事をしていると少ないスタッフで時間に追われながら業務を行っていることがあると思います。
介護の現場で一部の医療行為を行うことができるようになりましたが、時間に追われながらの業務を行っていると医療行為と医療的ケアの区別がついていない場合を間違えて行ってしまう・・・なんていう事例はあってはならないことです。
しかし、なにが医療行為でなにが医療的ケアなのか区別がつきにくくわかりにくいことが現状ですよね。
厚生労働省が提示しているものをもとに、介護の現場でどのようなものが医療行為なのか・医療的ケアなのか紹介していきたいと思います。

医療行為と医療的ケアの違い

はじめに私たちは介護職員の一員であって医療従事者ではありません。
医療従事者ではありませんが、介護福祉士だけでなく介護職員が行える医療的ケアがあります。
医療行為と医療的ケアの区別をつけ、私達介護職にはどんなケアが行えるか見ていきたいと思います。
医療行為とは
言葉の通りで医療行為にあたります。医療行為は危険を及ぼす可能性があるため介護職が行うことは禁止されています。
基本的には、介護職員による医療行為は禁止されていますが、条件をクリアした介護職であれば一部の医療行為を行うことが許可されています。
医療的ケアとは
日常生活に必要とされる医療的な生活援助のことになります。

なかなか分かりにくいよね。
実際に行えるケアを読んだ方がよさそう。
介護現場で行える医療的ケア

医療行為は原則介護職が行うことが禁止されていることがわかりました。
それでは、介護現場で行える医療的ケアを詳しく見ていきましょう!
参考資料 厚生労働省
体温・血圧・バイタルチェック
結果に異状がある場合はすぐに報告を行うことが必要です。
爪切り
爪切りは医療行為に入りませんが、爪になんらかの異常がある場合は悪化させる場合があるため、医学的判断が必要になるため介護職が行ってはいけません。
口腔ケア
日常的な歯磨きや入れ歯の洗浄は介護職の衛生保持になるため業務の範囲内となります。
軽い傷などの処置
絆創膏を貼るなどの応急処置は医療行為にあたりません。重症状の場合はすぐに診てもらいましょう。
薬を塗る・湿布を貼る・薬の内服・点眼
薬の使用に専門職を必要としない場合介護職も服薬介助をすることが可能です。
耳掃除
耳垢の除去は医療行為ではありません。利用者さん自身の同意を得てから安全に行いましょう。
排泄介助
自己導尿(補助のためにカテーテルを準備・体位保持)
人工排泄口(ストマ装具)排泄物除去は行えます〇
肌についたパウチの取り換え、カテーテルの挿入行為は医療行為のためできません。
市販の浣腸
グリセリン濃度(50%)挿入部(6cm以内・40g以内)は介護職が行えます。
介護現場で行ってはいけない医療行為

介護現場で行ってはいけない医療行為を見ていきましょう!
褥瘡の処置
褥瘡部の消毒・薬は医療行為となります。(周囲の水洗い・ワセリンなどの外用薬を塗布)
補足:ガーゼ交換は行ってはいけない医療行為に含まれません。
インスリンの注射
介護職のインスリン注射は医療行為となります。
ただし、利用者さんご自身が打つ分に補助することは介護職としてできる範囲となっています。
血糖値測定
血糖値測定は針を刺す行為になりますので医療行為となります。
点滴
点滴内容や針を刺す行為もありますので医療行為となります。
摘便
身体内部に関わるため医療行為となります。
介護現場でも研修受けることで行える医療行為

研修を受けた者が受けられる医療行為とは?
2012年の4月より痰の吸引と経管栄養(胃ろうなど)は、特別に出来るようになった医療行為です。
実施できる介護職員とは?
2016年1月以降に合格した介護福祉士に加えて一定の研修を受講後、認定特定行為業務従事者認定証を保持している介護職員に関しては、医療従事者と介護職員との連携が図られているなかで医師からの手順書によって共有されている者が一部の医療行為を行うことができます。
医療的ケアとやってしまいそうな医療行為の表
介護職が行える 医療的ケア | 介護職が行ってはいけない やってしまいそうな医療行為 |
---|---|
体温・血圧・バイタルチェック | 褥瘡の処置 |
爪切り | インスリンの注射 |
口腔ケア | 血糖値測定 |
軽い傷などの処置 | 一包化されていない薬の介助 |
薬を塗る・湿布を貼る・薬の内服・点眼 | 手動血圧測定器(水銀式等)での血圧測定 |
耳掃除 | 摘便 |
排泄介助 | 点滴 |
市販の浣腸 |
医療的ケアを行うときの4つの注意点

しっかり連携を取ろう
介護職員が単独で行うことではなく、他職種と連携をとりながら行っていきましょう。
疑問点などある場合は専門職へ相談をしスムーズな連携を行っていきましょう。
観察を怠らない
医療的ケアを行う場合は、危険と隣り合わせです。
常に観察を怠らず普段と少しでも違う場合は、医師や看護師に報告しましょう。
早期発見により悪化を防ぐことができます。
小さなことも報告
医療的ケアを行う場合、いつも自分が担当だからといった場合でも普段と違う様子だったりケア時に変化があった場合などは、小さなことでも報告していきましょう。
安全で感染予防に努める
医療的ケアを行う場合も感染防止を徹底しましょう。
利用者さんや職員自身を感染から守るためです。
最後に

現在介護者の増加に対して看護師不足になっているため、今後介護職員による医療行為の必要性が出てくる可能性があります。
ですが、今後出てくる可能性があるだけで現時点では未確定です。
内容をしっかり理解した上で業務に当たっていくとともに、医療行為は命に関わる部分になってきますので責任をもって行っていく必要があります。
正しい知識を身につけていき、できないことは看護師に行ってもらって安心安全な介護を行えるようにしていきましょう!